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P.P.P.P.C.B.N.経過報告書 2004/9〜12 |
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■P.P.P.P.どうだろう御殿3
ドラム騒ぎとネットオークション中毒
- P.P.P.P.C.B.N.ブッキングマネージャーの坂本ぷでぃんぐ斎は、
はかりしれない男である。
料理人である。
関西プリンアカデミー公認プリン師でもある。
染物職人として、パリコレを目指していたこともあるらしい。
それだけではない、もともとココルームとの関わりは工事人としてだ。
内装業の職人である。
からだがでかい。
プロレスとコンビニ弁当が好きだ。
若い頃はローリーアンダーソンも好きだったらしい。
10年ほど前には、内輪の宴会のためにギャビンブライヤーズの「タイタニック号の沈没」をミュージシャンにギャラを払って譜面起こしから再現した。
最近では、アーティスト高橋匡太の何百本もある蛍光灯インスタレーションの工事もこなし自らのスキルとした。
携帯は通じない。通話料を払っていないからだ。
よく行方がわからなくなる。
ココルームに住んでいるのでは?は思わせるふしもある。
この1年半でぷでぃんぐ斎がここで習得した最大のスキルが、パソコン。
上田のMAC2号機を我が物とし、我々が気づいた時には、一本指でインターネットの海をひたすら泳ぐネット中毒おやじになっていた。
嫌々P.P.P.P.の担当を押し付けられてしまったぷでぃんぐ斎は、ホームページのメアドをたよりに出演依頼のスパムメールを何百通も送りつづけた。
忌野清志郎にも送った。
坂本龍一にも送った。
沖縄で休養中のコッコにも。
そんなもんココルームに来るわけないやろ!
さて。
彼の最近のお気に入りは、ネットオークション。
ココルームにウニが届けられる。
バリカンセットが届けられる。
包丁セットは粗悪品だった。
子どもドラムはやっぱり小さく、dbxのノイズリダクションはいまいち。
それでも彼は今夜もネットを徘徊する海千山千の連中と1円単位のせこく激しいバトルをくりひろげるのだ。
井崎さんが使わないドラムをココルームに貸してくれることになった。
足りない部品や、こわれたネジなど、いろいろ不具合があるが、上田も私もことドラム問題に関しては触れない。
メーカーのロジャースはとっくに潰れてしまっているらしい。
これこれ。
このシチュエーションにぷでぃんぐ斎は燃える。
粘り強い予算計上への説得。
とうとう上田が財布を開いた。
その後の彼はコーナンに何度も通い、ネジを自作し、シンバルやドラムの皮は得意のネットオークションで1円でも安く入手する。
金属パーツを徹夜で磨くぷでぃんぐ斎の背中は、哀愁を漂わせつつ、やりとげなければならない仕事を持つ男の幸せに包まれていた。
負けた。
負けました。
人間の才能というのは、その人のもつエネルギー量の問題なのではないか。
この文章にオチはない。
オチがあろうがなかろうが、明日のP.P.P.P.に備えるぷでぃんぐ斎は、また徹夜するに決まっているのだ。
■……上田假奈代(NPO法人代表)飯島秀司・ぷでぃんぐ斎(P.P.P.P.C.B.N.ディレクター)
2004/ 8/16
橘安純(路上からの刺客)
路上詩人、「橘安純」登場。野宿生活者、つまりホームレスの彼を一表現者として出演してもらうにあたっては、何度かココルーム内で話し合いが持たれた。それは、表現者の社会的地位や、バックボーンはココルームにおいて一切関係ない。という、確認作業でもあった。表現者が望めば、観客の生命に危険が及ばないことのみを条件に、いかなる表現も、その自己責任において表現出来る。詩というよりは、短歌、川柳に似た、彼の表現は、生々しくも、どこか寂しい旋律を持つ。
TASKE(たすけてくれ)
唯一無二「TASKE」登場。誰にも真似できない彼の芸は、濃縮しすぎて豆腐みたいになったカルピスの趣き。決して楽に見せてはくれない。仰天突撃。彼のパフォーマンスを受け止める為には、観客にもかなりのエネルギーが必要とされる。苦行、言行、荒行の暴風圏のむこうに幸せの青い貘(バク)はいるのか?これが夢なら、醒める前にCD買ってくれ。たのむ。
近藤洋一(鉄腕ポエムからの刺客)
東京で「鉄腕ポエム」を主宰する漢「近藤洋一」登場。見た目をうらぎる重低音の大人ボイスにウットリした観客も。関西の水に、とまどいながらも笑みがこぼれる。これまでやってきたから今日があって、今を乗り越えればこその結果オーライ。いい事も、悪い事も、全部自分で選んだことだものなぁ。モヒカンが風になびくぜぇ。2005年2月には、大阪cocoroomで、「鉄腕ポエム」再襲。
東野祥子(トヨタ何とかアワードの覇者)
「TOYOTAコレオグラフィーアワード2004」、最優秀賞「次代を担う振付家賞」受賞作家登場。あまりにも多忙の為、連絡も取れず、会場入りも出番直前。打ち合わせもそこそこに、いきなり本番。迎え撃つのは二児の父「稲田誠」即興演奏界の雄として手加減無しの全力演奏。「ぬるい事しやがったら、ただじゃおかねえぞ」という気迫を前に、何かに取り憑かれたように踊る東野。息をするのを忘れるような緊張感。これはすごい。芸の極みに起つ為に一体、どれだけのものを犠牲にしたのだろうか。今この一瞬の刹那に生命を尽くす。言葉では言い表せない。
ミキ(はみだしっこたちの朗読会からの刺客)
不思議な男、「ミキ」登場。彼は東京で、「はみだしっこたちの朗読会」を主宰しているらしい。エキセントリックな声でクセのあるリーディングを繰り出す。言霊はサハラ砂漠に迷い込んだ迷いっこ状態。つーかそういうスタイルなのだろう。独特な魅力を感じさせた。この後、鳥取砂丘で朗読会を催したそうだが、大丈夫だったのか。集団遭難?うーん、そうなん?。
いつわらざるもの(名も無き修羅)
BM企画第2弾「いつわらざるもの」登場。京都を中心に活躍するダンサー「かわいみな」と、関西で頭を光らせる太鼓男、井崎能和」の即興デュオとして緊急発進。打ち合わせも適当に、
よくわからないまま胴体着陸。その後観客爆笑。この試みは今後も続く。様々なジャンルから、なれ合いやお約束では無いハプニングを実験する。今だ見えぬ新しい何かを目指して。
桑原滝弥(にゃんにゃん大王)
闘将「桑原滝弥」登場。この日のイベントは、彼の凱旋企画(何の凱旋?)として持ち上がった。cocoroomを上げての万全体制に、送られて来たコメントは、一言「にゃんにゃん。」スタッフ一同、ずっこける。男桑原、やるときゃ、やるし、はずすときは、はずす。憎いねぇ。急遽、イベント名を「にゃんにゃんナイト」に変更したのであった。この日、関東勢は連日の移動とライブ続きで疲れ切っていただろうに、みんな全力をつくしたパフォーマンス。芸に手抜きなしの姿勢には、関東関西関係ないのだ。がんばって関西に、東京スタイルのリーディングムーヴメントを根付かせてほしいと思う。
xoe xab(ショイシャブ)
不覚にも、本番中泣いてしまった。あえて理由は書か無いが。出演者、スタッフ共に、そこにいなければならない誰かを想い、探すような演奏。もちろん観客にはそんな事はどうでもいい事で、目の前で起っている事が、自分の嗜好に合うかどうかが判断の基準になることも分かっている。それでも、断言してみたい。「表現の本分は、個人の、パーソナルな事情である」と。すべての私情を排し、表現の極みに起つ為の神業としての表現と、あとは個人的な想い。二つが両極。人が演じる以上、そこには生活があり、生命の営みがある。この世に生を受け、人間として今を生きているという事。すべての根本はそこに集約されている。
ヨイカ(NPO法人申請中ユニット)
「よごいじ」プラス「上田假奈代」の適当ユニット「ヨイカ」登場。 この日はP.P.P.P.史上、最多の9組登場の壮絶な夜となった。終盤には、出演者も観客も疲れていただろう。そんな中、トリをつとめたのは「ヨイカ」。熱病にうなされたようなよごいじの演奏に呼応するように、上田は、この夜の最後の力を振り絞る激しい朗読パフォーマンスを見せつけた。
全てのプログラムが終わり、全ては記憶の彼方に飛んでいってしまった。
この世はまぼろし。うつろいゆく時代なんか、誰にも説明なんか出来ないんだよ。そこには最初から何もないんだから。
2004/ 8/24
echo light(八百屋からの刺客)
「今日で打止めです」1ヶ月に1回挑戦してきた男。「echo light」、最後の登場。「今この瞬間の自分に何ができるのかをみてみたい」 ということでココルームのカフェスタッフ、ボランティアスタッフも兼任しての登場だったが、どうだったのだろう?結局、身も蓋も無い事だが、表現とは「人から何か言われて」とか「あの人がどうだ」では無く、自分自身のものすごく個人的な問題だという事。たとえ打止めても、別の事しても、今日の積み重ねが未来を作る。
にせSUMIDA(井崎能和VS上田假奈代)
岩田江、入院中の為、上田假奈代を代打に即興ユニット登場。朗読とはげのコラボをめざすが、いかんせん、男井崎「あかんたれ魂」炸裂。ドラムを思いっきり叩くと、朗読が聞こえなくなるのを恐れ、中途半端と言うか、「おかみさん、こんなのどうですか?」と顔色をうかがうような演奏。いんちきNPO法人代表理事(申請中)も、「だんなさんのやりやすいように」と最後まで噛み合わず。この教訓を生かし、以降、コラボは挑戦ユニットに変貌します(ディレクター談)
空間悠々劇的(反応反射即興速攻)
空間創造集団3度めの登場。わずか3回目にして、こなれて来ているのはすごいというか何と言うか。客の、適当なお題に振り回されているのは、あいかわらずだが、以前程の慌てふためきや、焦燥感はない。個人的には「即興芝居」よりも、リハの時に見せる「にせミュージカル」のほうが何かのびのびしてて好きだ。メンバー間のふざけあいや、お約束が微笑ましい。「あぁ。こいつらこんな顔して笑うんだ」というのは、近所のいじわる親父の趣。
もぐらが一周するまで(あこがれ音楽)
いつまで一周してんだよ!ひとり一周ユニット「もぐらが一周するまで」再登場。ギターアンプとシールド、ジャックやコネクタの相性を改善すべく、ラインを直接P.A.卓にブチ込む荒技を披露。詰まる処、自身のエゴ、価値観を表現するために、手段や方法を実験も含め模索する表現者も表現者だが、受け止めるP.A.もP.A.。また、その現場が生で見れるココルームもココルーム。うーむ何なんだか。
滝本恭三(ダディ、俺を見守ってくれ)
「なんで俺がここで歌っているんだろう?」開口一番ゲラゲラ笑う。「実はこの間、会社辞めちゃって、歌一本で喰っていく決心しました」奥さんと子供、そして社会生活をやっていくのは大変だろう、適当で中途半端な選択肢もあるだろうに。自分の中でのケジメをつけないと納得できないのは男の性(さが)か?早くに他界した父を想い、嗚咽をもらしながら歌う。父の歳になって初めて分かる、その責任と愛。
2004/ 9/14
中西恵子×福森慶之助(破片を展示する)
ココルーム展示企画「CHIMES」の作家の登場。PPPPは平面作家に限らず、多くの作家に出演依頼をし、断られた。ノンジャンルのフリーアート空間における、新しい表現、行為の模索をその信条とするPPPPにおいて、本来舞台上に上がらない平面作家の登場は悲願でもあった。内容はココルームを意識してか、「詩の朗読とパフォーマンス」という、既存のものだったが、要はこれから。PPPPは新しい表現にむけて遂に動きだした!
時々銅鑼民具(禁断のギターデュオ)
大仰な「この世には、触れてはならないものがある」「それを見たものは死ぬ」登場。その正体は出演過剰男「井崎能和」と、観月ありさのにせもの「中谷アキラ」のインチキデュオと判明。ほんとはドラマー。ひとたび、ギターを持てば「俺の前世は、メッサブギーじゃ!」と意味不明の絶叫は渾身。鑑賞者は表現の上手下手に感動するんじゃないのよね。
谷川修一(素人芸ファイナル)
闘う素人芸「谷川修一」最後の登板。あまりにも早く逝きすぎた友3人の魂に応える為、ひまわりの花3輪をその傍らに、渾身の素人芸を披露。「実は、僕へのレビューに酷い事を書かれているので、もう、やめようかと思っていました。決して、悪意や、いじわるじゃないのは分かっているんですが」と、数日前に打ち明けられた。しばらく話し合った。レビュー掲載事項は、出演者本人が希望すれば、訂正削除ができる。彼の希望でレビューは今までのままで行く。と決まった。
このレビューは私信、おふざけによる所が多い。しかし、愛情と理解、誠実さを持って向き合っているのも本当だ。掲載を認めてくれてありがとう。
TASKE(たすけてくれ)
唯一無二。「TASKE」再登場。足に鈴の束をくくり付け、両手に高知よさこいまつりの鳴子を持ち、舞台上を走り回って絶叫。リハでP.A.さんと打ち合わせをしたマイク位置は意味をなさなかった。P.A.即死しても、表現とは、魂の衝動。彼を上手いとか、下手とかいう範疇で語るな。生で見ないと絶対伝わらない、彼はこの音楽で10数年生計をたてているのだ。彼の芸を楽しみにしている人達が全国にたくさんいて、今日は東に明日は西に。がんばれ「TASKE」
横沢×江(タムタムカンパニーVS代打井崎)
まだ大阪、いや日本にジャンベという言葉がない頃からジャンベを教え、「アフリカみやげの変な太鼓」に「一生使える打楽器の地位」を取り戻した男。世界中に1000人以上の弟子を持ち「関西土俗打楽器界の父」と呼ばれるタムタムカンパニー総帥「横沢道治」登場。当初はSAX「岩田江」とのデュオの予定だったが、本人入院中の為「SUMIDA」の相棒「井崎能和」が代打で登板、太鼓親父二人組、飲んだくれるわ、頭を光らせるわの大騒ぎ。いい歳をした大人の、いい歳をしたパフォーマンスは文句無しのおもしろさ。表現とは、その人生を魅せる事である。
2004/9/26
野村誠 VS 上田假奈代(将棋作曲家 VS NPO法人代表<申請中>)
Dead Guy Ale(アメリカのビールの名前)
闇色鍵盤(ひとり楽座)
ZUZUMIDA(にせSUMIDA)
- トランペット・アルトサックス・バリトンサックス・ドラムスによるカルテット
フーゲツJのUN(電脳風月堂)
- ギター・サックス・ピアノ・詩の朗読によるインプロヴィゼーション
山内桂×take-bow×クルト・コーゲル(日本の奇才×ベルギーからの刺客)
- サックス・エレキギター・ノイズ・ダンスのコラボレーション)
2004/10/9
セキミハル×上田假奈代×ウォン・ジクスー
ウォン・ジクスー
橘安純
竹野さん×上田
パンツ!パンツ!パンツ!
つきやまいくよ×橘安純
勝野タカシ
LOVED LOVED
2004/10/10
山本雅史(やっぱり出ます)
上田假奈代とほんまに世界の果て(ほんまです)
jaaja(名古屋からの夫婦)
足立大輔(夫婦音曲)
ぴぴんげ(夫婦生活)
MALTHS(夫婦じゃありません)
勝田真由(chimesからの刺客 1)
- 勝田真由ファイバーアート展<Inside Map>
2004/10/26
手廻し活動写真(弁士:小崎泰嗣)
手回し映写機と蓄音器による上映。活動弁士付き。
STYLE(NPO法人理事ユニット)
バリトンサックス×ドラムス
Weather Spoon(存在としてのロック)
ロック。
適当なるもの(名もなき修羅)
インプロ。
森川美穂(CHIMESからの刺客2)
7th exhibition 『JAPAN』
2004/11/ 6
オープンマイク始動
若原光彦(ひきこもごも)
ポエトリーリーディング
ランニングチキン(空間悠々劇的 第3のユニット)
即興芝居
アプリケーションエラー(J-pop)
ラップトップ・ピアニカ×ボーカル
江藤莅夏(朗読のような何か)
リーディングパフォーマンス
小笠原淳(小笠原流吟踊詩術始祖)
ポエトリーリーディング
オープンマイク参加者
- クレイジーコスギ from TM(チーム・マグロ)
椿
Nagano
2004/11/26
オーケストラ(ふとし三人組)
プロダクト江崎(新作)
- 江崎将史(tp.)のアイディアを具現化するユニット
pirate love(存在としてのパンク)
残酷酋長(はげドラムvs新婚トランペット)
オープンマイク参加者
2004/12/ 5
夏・撃波(か・げきは)
ラブハンター熱い肌(昭和歌謡)
クギミヤ(酔いどれ兄弟)
MJK with ニューハッピー(はげ三人組)
オープンマイク参加者
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