COCOROOM 特定非営利活動法人 こえとことばとこころの部屋
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P.P.P.P.C.B.N. 2004年 にっぽんマイノリティーまつり

総括などできないのだけれど、道はこれから

  • P.P.P.P.C.B.N. 国籍・人種・性別・思想・信条・信仰などにとらわれることなく、新しい表現とは何か?を模索し続けるプロジェクト。だったはずだが、あっという間に全国の変人さん大集合に変貌。出演者はもはや人類というカテゴリに収まらず、会場自体廃園決定。アトムも産まれていない21世紀の空の下で、すでに世紀末の風情あふるるフェスティバルゲートの一室で、昨日と今日を異ならしめるために、現在を絶えず名づけようのない未来にむけて挑撥するというしかたで、わたしたちは詠唱する。既知から未明の未来へ漕ぎだすために。と、口上を述べたのだが、4月の後半、事務所のゴミ箱に「男祭り弁当」が山積みになっている。メモ用紙散乱するブッキング担当者のマシンの横には「男だったら、出て来いや!!」のシールが貼ってある。かなりの割合で何かが男祭りと化していることを、わたしは黙認した。何かを乗り越えたい時に、キャッチーな言葉をみつけることは大事なことだから。たとえそれが宇宙語でも汗臭い言葉であっても。
    さて、連日50人から130人が出入りした1週間、わたしが何をしていたか。自分の仕事を放りだし、窓を磨き、雑巾がけをし、食器を洗い、受付をする。観客、出演者、スタッフが有意義な時間を過ごせるように。事故なく、安全に、段取りよく進むように。冒頭にあんなに大見栄きったのに、やってることは地味だった。ココルームのミッションのひとつ「表現活動の継続支援」項目のとおり地味である。そして、1週間を経験したわたしは次なる課題を感じた。まだうまく言語化できないのだが、場所提供にとどまらず、表現活動にまつわるものと世の中との間を繋いでいくこと。マネジメントとかではなく、意識のところで。「暮らしと表現」の新しい価値感の醸成。でも、どうやればいいんやろう。
    男祭り弁当は首にタオルを巻き、汗を拭き拭き、今日も「うがーPPPP!」と仕事に励んでいる。あきらめないで、ひとつづつ考え、行動し、獲得していくしかないのね。

「にっぽんマイノリティーまつり」出演者一覧

  • 4月29日(木/祝)「救急車運転士の逆襲」ナイト
    nova-express(空間言語結晶化ユニット/こんかいはMAXで) 田岡峰樹 with 正本智恵(モンゴル音楽 with 二歳児の母)rgan(オルガン弾くわけじゃありません)よごいじたに(解体と進捗と膨満感) 福永祥子+はくさんまさたか(詩の朗読とその周辺)周川ひとみ(白塗り踊り乙女)

  • 4月30日(金)「俺はS・A・R・Sじゃない!」ナイト
    拍尾振(のこぎり音楽物語)小川賀子(シンガーソングライター) 清水啓司+上田假奈代(完全即興対決)森山英将(なんでしょうか俺は?)千明史<a.k.a.chori>(スポークン・ワーズ)VIVIAN GIRLS(ノイズ) むっちゃんとちづちゃん(フラメンコ?)

  • 5月1日(土)狛犬な夜第3夜 ジャンポールマキプロデュース
    ニッチモ&サッチモ URANOバンド 鎌倉研  谷内暁子

  • 5月2日(日)お芝居デー 芝居紳士プロデュース
    芝居紳士 かのうとおっさん margarets hope 音更

  • 5月3日(月/祝)Wvol.3阿佐田亘プロデュース/望郷アギョウ村(サイケデリック語り部ユニット)ねじれル ハシモトカヨ もぐらが一周するまで 横山千秋(詩ボク関西準優勝者)うにて(ロック)エロ狂言師 大和川レコード

  • 5月4日(火/祝)まろだす通信 奥村ひでまろプロデュース
    パンツ パンツ パンツ(今、話題沸騰パンツパンツパンツ)Twins(話題沸騰、京都のR&Bデュオ)伊佐常照(謎のセンキレブルースギタリスト)田渕徹(奥田民夫ていわんといて)歌屋BOOTEE(憂歌団風ナンバーならおまかせ)ハダカデンキュウ(新感覚カラオケ女)桑原滝弥(from名古屋)

  • 5月5日(水/祝)名古屋ロック詩人の逆襲!」ナイト
    LOVED LOVED(かっちょいいロックンロールだなも)あぶらなぶり(フリージャズによるブルーズでかんわ)紫放送(ポエトリーヒップホップだぎゃー)桑原滝弥(うぉー、わしの棺桶はどこじゃー)加久裕子(菊花のカタキは私が討つ!)石川正恵(スピリチュアルオペラでごんす)冨岡三智(ジャワ舞踊じゃわ)あわ屋(ジャパトロニクスじゃぱ)



P.P.P.P.C.B.N. 経過報告書 ”マイノリティまつり4/30 極私的レヴュー”
担当:木村知子

  • ★小川 賀子(財閥令嬢フォーク)
    • キレイ、さわやか、キュート、乙女炸裂、イノセント文学少女のアコギ青春チューン。
      仕事終わりで本番直前に駆けつけた長身の乙女は無防備な笑顔に少しはにかみを浮か
      べ、客一人一人のそばに寄り添うような柔らかさと素朴さで歌い始める。
      ケルティックなメロディラインに尾崎 翠ちっくな詩、さわやかさの合間にチラリと
      見える”影”がある種のタイプの人間にはたまらんのじゃなかろか。
      高音部で発揮される意外な”強靱さ”がとてつもなく魅力。
      何にでも溶け込めて何にでも変化できる、ニュートラルな生命力。


  • ★森山くん(ギター、ディストーション)
    • いるのか、いないのか、男として人間としての主張はあるのか、ないのか。
      きちんと食べているのか、いないのか。聞きたかないが彼女はいるのか、いないのか。
      そんな質問は一切抜きにして私はブレスを混ぜこみ懇願した。
      ”ディストーションで殺して”


  • ★ちょり(ポエトリーリーディング)
    • 無機質なイノセンスをキープするために太ることは絶対禁物よッ。
      深さなどいらぬから横切りつづけて。
      横切りつづけるためにはやはり太ってはだめよ。




  • ★拍尾振(のこぎり音楽)
    • 某ココルームスタッフより”彼等が出た日には一段と冷えこむ”(あ、客席がね)と
      聞いてかなりな冷えこみを期待して本番スタートしましたがかなりなものでした。
      そして私の願いはその冷えこみをさらに極北の地にまで煮詰めてほしいというもので
      す。一切の和合、一切の相互理解を拒絶して濃度200%のやみくもなマイワールドを
      見せてくれ。”草を食べて生きる!!”と激しくシャウトしたように。


  • ★むっちゃんとちづちゃん(フラメンコ)
    • 関西発オルタナフラメンコのココルーム的エンタティンメント。
      もう恥ずかしいほどに場は熱気と興奮に包まれた、というかいっきにカタルシスをえ
      た。むっちゃんのさばさばノンシャランなMCに演者・観者の距離はぐぐっと縮まる。
      「ジプシー発祥のフラメンコを日本人が踊ってどうなる?」という輩はつぼ八でまず
      いチューハイでもすすってなッ。フランスはパリで飛ぶように売れている盆栽のフラ
      ンス人的解釈を見たらそんなこと言えなくなるから。


  • ★上田 カナヨ VS 清水さん(詩 VS ダンス)
    • 定石的エロス。定石的衝撃。定石的緊張感。
      マゾヒスティックにおねだりしていい?
      もっと地の果てまで連れてって。
      もっと冷たくして。



  • ★村上くん(映像+ノイズ)
    • いつもはサークルデリックの一員として活動している村上くんがソロとして初登場。
      途中マシンのトラブルにより急遽ディジュリドゥをフューチャーしてのラスト一発勝
      負。アニメの相撲力士の映像のシュールさにうっとりしていたら何のしめくくりの言
      葉もなく淡々と片づけに取りかかる村上くん。大団円的で劇的な盛り上がりのかけら
      もないマイノリティまつり4月30日のトリはそのようにして終わった。奇妙な風通し
      のよさ。これ読んでたら村上くん、連絡ください。


<表現>について
私たちにとって”外部”とか”他者”って誰なんだろう。
<表現>は常に自分の敵や外側に対して自分を伝えるためのもの。
自分を理解しないものに対して、理解してもらえる方法を探して自分を知らしめるた
めのもの。
それに気づいているのは本質的にマイノリティだけだ。
日本の中に果たして”外部”や”他者”があるのかないのか、
言わずもがなの結論に絶望してしまうが、そこがきっとスタート地点なんだろうと思
う。
だから孤独で孤独で心が干上がってしまう毎日を送るそこの君!!


5/3「P.P.P.P.C.B.N.W vol.3」報告者:阿佐田亘(a.k.a.大和川レコード)

  • はしもとかよ(弾き語り)
    • 最近は童謡メルヘンユニットでの活動も盛んな、はしもとかよ氏の弾き語り。
      「どうして自分がこのイベントで歌っているのだろう」と、突然笑い出すシーンも見受けられ、彼女の素の姿が垣間見れた気がするステージであった。そりゃそうだ。エロ狂言の次の出番だったもの。


  • 横山千秋(朗読)
    • 詩のボクシング大阪大会準優勝という経歴を持つ実力派詩人。
      この日の朗読スタイルはなかば演劇的なスタイル。読み手が詩の世界に没入することによる異化作用が、cocoroom全体を侵食していく。様々なスタイルで持って朗読表現を試しているとのことで、今後、また違ったバリエーションによる作品を見たいものだ。


  • 望郷アギョウ村(節操なき語り部達、その被り物は手作りかい?)
    • 「この人たち、ほんとに何も考えていないのかも」
      と思わせるくらいの節操なきパフォーマンス。
      喋る。動く。掻き鳴らす。音楽の形態をとってはいるものの、この表現はどちらかというと現代美術におけるパフォーミングアートに近い。言葉は悪いが、彼らの表現は“こけた”時はひどく不様であるが、上手くいけば、新しい表現のフロンティアになるかも。かも。
      わからないけど。

  • ねじれル(カットアップ/ギターデュオ)
    • とにかく機材トラブルが不安(?)な、人力カットアップ系デュオ。
      音楽的にはノーウェイブな匂いがするが、とにかくよく練られ、作りこんでいる彼らのライブは一見の価値ありです。



  • もぐらが一周するまで(太陽の塔を目覚めさすためのアンビエント)
    • ギタリスト、佐藤亘氏と、舞踏家、三沢奈央氏による即興アンサンブルユニット。
      彼らは決して難しいことをやっているわけではない。ギターの音の重ね方などもオーソドックスなものだ。しかし、音色が非常にいい。その場に音空間が立ち現れる様が目に見えるかのようだ。その空間に、時に身を委ね、時に反発しながら舞うダンサー。
      この日、一番落ち着いた佇まいを感じさせる静かな表現。


  • うにて(詩吟とギターと縦笛による青年の主張)
    • 「詩吟ロックをしています。出演させてください。」
      と、うにて野田氏から連絡があったときは、一体何をやらかす人たちなんだろうと思ったが…。さて本番当日、あまりの爆音ギターと絶叫で、PAさんに音を下げられるシーンもしばしば。そんな絶叫のさなかに披露したパフォーマンス、“縦笛ソロ”。この日訪れていた知人曰く、「ロックで縦笛ソロする奴を、今日初めて観たよ」とのこと。


  • エロ狂言(エロい狂言)
    • イベント当日5日前に、急遽出演が決定したこの“エロ狂言”。
      服装も相応に設え、時代めいた物語の伏線をも見せておきながら、突如、ドラマ崩壊。止まることなきエロパワー。隠語爆発。表現者自身が自己ウケしているシーンがあったのがやや残念ではあったが、今後、より徹底して、この芸を磨いてほしいものだ。